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お笑い芸人・ケビンス仁木のゲーム愛が爆発!「僕はいい時代に生まれたなって思います」

お笑い芸人・ケビンス仁木のゲーム愛が爆発!「僕はいい時代に生まれたなって思います」

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公式YouTubeチャンネル『コンボイファンクラブ』でもゲーム動画を配信するなど、筋金入りの“ゲーム大好き芸人”、ケビンス・仁木さん。そんな仁木さんに、ゲームの魅力について語ってもらった。

ケビンス・仁木恭平(にき・きょうへい)●
1991年、北海道生まれ。「そうじゃねえだろ」「ひみつスナイパー健」などのコンビ活動を経て、2021年にケビンスを結成。2021年、2022年には『R-1グランプリ』で準決勝に進出するなど、ピン芸もこなす。

ゲームは“初めての成功体験”だった

公式YouTubeチャンネル『コンボイファンクラブ』でもゲーム動画を配信するなど、筋金入りの“ゲーム大好き芸人”、ケビンス・仁木さん。ゲームの魅力を熱弁しながらも、決してネタバレにはならないように気遣うという本気のゲーム愛にあふれた姿を見せてくれた仁木さんに、いろんな話を伺った。

――ゲームとの初めての出会いは?

 最初は小学校上がるか上がんないかぐらいのときで、ゲームボーイの『スーパーマリオランド2 6つの金貨』っていうゲームでした。僕、4人きょうだいの末っ子だったんで、きょうだいがやってるのを見てたまに貸してもらったりしてたんですけど、子どもだから根気強くやって、きょうだいがクリアできないところをクリアできるようになってほめられたっていう、最初の成功体験というか、“唯一きょうだいに勝てるもの”っていう認識でしたね。ただ僕、終わりが見えるとやめちゃうみたいなところがあるんですよ。

――最後のちょっと手前でやめるんですか?

 はい。終わるのが嫌すぎて。それまで主人公を操作してたわけじゃないですか。でもエンディングで全クリ(オールクリア)ってなった瞬間にお別れみたいなことになっちゃうのが嫌で。だからポケモンとかもラスボス倒したことないかもしれない。もちろん全クリするゲームもありますし、2周目、3周目とプレイすることもあるんですけど、没入すればするほどそういう気持ちは強くなりますね。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のソフトと一緒に。

――ゲームが大好きになったきっかけとなる作品はありますか?

『ゼルダの伝説 時のオカリナ』ですね。これはヤバかったです。今でも思い出しますし、やります。ちょっと面白すぎますね。あと、この作品があったからゲームの進化が何年か早まったのかな、とかも考えます。

――大好きな理由は?

まず曲ですね。ゲームの曲って、いい曲ってだけじゃなくて、グラフィックとキャラクターとストーリーとどう合ってるかとか、作品との親和性が特に大切だなと思っていて。だから僕、今でも曲だけ聴いたりするんですよ。ゲームやってる最中は没入してるんで正直あんまりわかんないんですけど、終わってからよさに気づくというか。曲を聴いたときに、その曲が流れていたときに感じてたすごい嫌な気持ちとか怖さが全部思い出されるんですよ。だから、終わった後に「うわ、すごいゲームだったんだな」って。

――これまでプレイしたゲームのなかでいちばん思い入れのある作品はなんですか?

『MOTHER2 ギーグの逆襲』ですね。これは衝撃でしたね。ちなみに、今着てるTシャツも『MOTHER2』のTシャツなんですけど。今でも大人気で、定期的にイベントが開かれるぐらい人気ある作品なんですけど、今まであったドラクエだとか、そういうRPGゲームをちょっとフリにしてるというか。例えば敵のモンスターでゴキブリみたいなキャラクターが出てくるんですけど、その名前が“あのあれ”っていうんですよ。普通、キャラクターには“スライム”とかそれっぽい名前をつけると思うし、もし僕がゲームを作るとしてもやっぱりゴキブリっぽい名前のモンスターにすると思うんですけど、そうじゃなくて、とにかく遊び心があるというか、ふざけられるところは全部ふざけてるというか。でも大事なところは押さえていて、子どもながらにちょっと感傷にも浸れるっていう。世界中を旅するゲームなんですけど、長くゲームしてると親(パパ)から電話がかかってきて、「ちょっとゲームやりすぎだよ(『だいぶながいじかん ぼうけんをつづけているようだね』)」とか「そろそろ休んだ方がいいんじゃないか」みたいなことを言われるんです。あと、それぞれのスポットに行くと、ちょっと地元の実家の雰囲気を思い出す描写があったりして……。子どもならみんなピンとくるような要素が入ってるんですよね。

――『MOTHER2』は全クリしたんですか?

これは全クリして、何回もやりました。

『MOTHER2』のキャラクターのピンバッヂ。

『MOTHER2』のキャラクター、スターマンのピンブローチ(本人私物)

ゲーム『MOTHER2』のキャラクターのフィギュア。『MOTHER2』関連のグッズは他にも多数持っているそう。

自宅には『MOTHER2』に登場するキャラクターのフィギュアが並ぶ(本人私物)

“ゲームの中に閉じ込められる感覚”がある

――人生でひとつだけ選ぶとしたらなんのゲームを選びますか?

やっぱり『時のオカリナ』ですね。そういう人はホントに山ほどいると思います。だから、僕自身いい時代に生まれたなって思いますね。1991年生まれで、今年34歳なんですけど、最初にゲームボーイをプレイして、ゲームがちょっとずつ3Dになって、さらにコントローラーを振れば動くようになったり、画面が2つになったりとか、そういうのを全部見てこれてるんで。

――新しいゲームが出るたびに新しい楽しみ方ができる、みたいな。

そうなんですよ。PlayStationとかNINTENDO 64が出たときはホントに感動しましたからね。

――今まさにハマってるゲームはなんですか?

『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』ですね。これはノーマン・リーダスさんっていう海外の俳優さんが主人公のゲームで、6月に買ったんですけど、今ちょっと単独ライブの準備があるんでなかなか進められていなくて。やろうと思えば本当に無限にできるんですよ、全部を放棄すれば。Nintendo Switchの『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』もそうなんですけど、ホントになんか“ゲームの中に閉じ込められる感覚”というか、もう出られなくなるぐらいの没入感があるんですよ。僕結構タバコ吸うんですけど、ゲームやってるときだけは吸わないんです。ガマンしてるとかじゃなくて、気づいたら8時間プレイしてて1本も吸ってなかったみたいな。

――じゃあできれば1回のプレイに時間をかけたいという。

はい。1回のプレイにつき3時間はほしいですね。ゲームの最初に「これはこういうゲームでこうやって遊びますよ、主人公はこうやって動かしますよ」っていうチュートリアルみたいなものが全部のゲームにあると思うんですけど、僕はそこがお笑いで言うところの“つかみ”だと思ってるんです。この作品(『DEATH STRANDING 2』)はつかみが抜群でしたね。ちょっと面白すぎです。しかもこの赤ちゃんがカワイイんですよ……!

お気に入りのゲームソフトを持つケビンス・仁木

――仁木さんがゲームを通して学んだなって感じることはなんですか?

いっぱいあるんですけど、大人になってから、特に芸人になってから感じるのは、ゲームって全クリしたらエンドクレジットがバーッと流れるんですけど、今のゲームってそれがすっごい長いんですよ。本当に映画みたいに、1曲では終わんなくて、2曲目3曲目に突入するぐらい。いろんな企業や技術者が関わっていて、人を楽しませるのには膨大な時間と労力と人数がいるんだなっていうことを改めて感じるというか。それは自分が単独(ライブ)をやっていても感じることなんですけど。例えば、60分の時間で60分間漫才するっていうのもアリですけど、自分が労力をかけることでお客さんをもっと楽しませることができるんだったらやりたいなって思います。

――いろいろと学ぶところが多いんですね。

はい。だからエンドロールのところで泣いたりしますね。「こんなにもたくさんの人が俺を楽しませようとしてくれてたんだ」って思って。めっちゃくちゃ寝てないだろうし、とか。ソフトが出るまで売れるかどうかわかんないっていう恐怖や不安もあるだろうし。だから頭が上がんないと同時に、エンターテイメントという面ではゲームクリエイターの人は他人とは思えないですね。

――仁木さんが感じるゲームのいちばんの魅力は?

製作側はもちろんプレイヤーに全クリしてほしくて作ってるわけじゃないですか。だから、期待してくれてるっていう感じですね、僕に(笑)。少し意地悪なステージもありますけど、見放さずに、最終的には信じて期待してくれているところです。

――小さい頃からずっとゲームをしてきた仁木さんにとって、ゲームとはどういう存在ですか?

うわ〜、難しいなぁ。(と、しばらく考えて)なくてもいいけど、あったら超最高っていう感じです。

――なくてもいいんですか?

なくてもいいと思うんですよ。お笑いも。でもあったら超最高っていう。メインカルチャーではないと思うんで。ただ、あったら人生もっと楽しくなるっていう。ゲームをまったくしていない人が、死に際に「ゲームやっとけばよかった」って思うかどうかはわかんないですけど、ゲームやってたら「やっててよかった」と思えるとは思うんですよね。だから「やったら超面白いよ」とは思うけど、やってない人に「絶対やった方がいいよ」とは言えない。それに、やってる人同士仲良くなれる魅力もあるんですよ。俺らだけで楽しもう、みたいな。

――ゲーム好き同士で話す楽しさみたいな。

はい。例えばこの『ティアーズ オブ ザ キングダム』ってかなり売れましたけど、芸人でこれやってるって人がいたら、そこでかなり仲良くなれますし。やってる人に出会えた時の嬉しさはかなり大きくて、話すことが格段に増えるし、「これが好きだったらたぶんこれも好きだと思うよ」っていうちょっと突っ込んだ話もできるし。そういうところもあるから、無理にみんなに勧めてないのかもしれないですね。

――自分たちだけの楽しみであってほしいみたいな?

それもありますし、その方がやってる人と出会えた時に嬉しいっていうのがありますね。芸人って……、というか芸人に限らずその職業でもそうだと思うんですけど、“全然違う境遇で子ども時代を過ごした人が大人になって集まってきたけど大まかな目的は一緒の人たち”って思うことがよくあるんですよ。でも、こういうゲームの話をしたときに「うわ、あったわ。懐かしい」ってなって、そこで繋がれるというのはデカいですね。

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